トルヴォサウルスをつくる vol.1

制作記
制作記恐竜の制作記

アメリカ在住の造形作家・Shane Foulkes氏のトルヴォサウルスを制作しています。

恐竜に限らずガレージキットはパーツの洗浄や組み立てから塗装まで、概ね似たような作業工程で制作しています。各工程で接着剤やパテ、油彩などの「乾燥待ち」が発生するために、いくつかのキットを並行して進めています。

トルヴォサウルスについて

トルヴォサウルスは約1億5000万年前のジュラ紀後期に生息していた、ジュラ紀最大級の肉食恐竜です。有名なアロサウルスと同時代に同じエリアに生息していたと思われますが、体長10mとアロサウルスよりひと回り大きいようです。上手に棲み分けしていたんでしょうかね。

大型の肉食恐竜ということでもっと人気が出ても良さそうな気がしますが、恐竜フィギュアの世界ではだいぶマイナーですね。

パーツの整形と組み立て

当ブログ開設前に作業がスタートしている関係で、塗装前の画像が少ししかありません。

パーツは胴体と頭部や尾、四肢が分かれた6パーツ構成で、画像にありませんがベースが付属します。スケールは1:20で、完成すると全長55cmほどになります。S.Foulkes氏のキットは精度が高く、たいていのキットで各パーツがピタッと接続されます。もちろん「レジンキットの割には」というレベルの話で、接続後のパテ埋めや表面処理はマストです。胴体は中空成形されているため、大きさの割には軽いのもありがたいですね。

私は大きなキットの場合バラバラの状態で各パーツを成形しています。組み立て後の方が接着箇所の整形も併せてできて合理的なのですが、取り回しが大変になります。というわけで首だけの状態でグラスアイに置換しました。リューターで彫ってアイを仕込み、エポキシパテで蓋をしつつ瞼を自作しています。

頸部の棘突起は頂上が欠けていますね。注型時にレジンが回らなかった虫食いです。これらはUV硬化パテで埋めた後にペーパを当てて整形しました。

サフ吹きとベース塗装

組み立てを終えたキットにフィニッシャーズのマルチプライマーとサーフェイサーを吹きます。サーフェイサーはガイアノーツGS-07パステルピンクです。ピンクの地色がほんのり効いて、生体の再現塗装には大変おすすめです。

全身がピンク色になったら、今度はラッカー塗料のエアブラシ塗布にて油彩を発色させるための下地を作ります。つまりこの段階でどういう体色・模様の恐竜に仕上げるのかある程度決めておかなければなりません。ここが一番悩むところですね。そして決めた通りにならないこともある笑。

今回のトルヴォサウルスはMr.カラーの44タンと45セールカラーをベースカラーとしました。ちょっと写真が暗くてごめんなさい!

暗部には同じくMr.カラーの19サンディブラウンを吹いて立体感を強調していき、ハイライトにはガイアノーツ052ノーツフレッシュホワイトを吹きました。ベタ塗りせず、筋肉やシワの流れを描くイメージで吹き付けます。

実物はここまでコントラスト強くありませんが、立体感のあるベース塗装が出来上がりました。この後の工程で使用する油彩は透明感がありますので、こうした陰影が立体感と色彩の奥行きを増長してくれます。

少し見上げポーズでなかなか可愛いんですよこのトルヴォサウルス。

ハイライトはこんな感じですね。グラスアイはマスキングしています。画像ではわかりにくいですが、穴だらけだった棘突起も綺麗にリカバーできました。

キットは自立するのですが、足裏に真鍮パイプを埋め込み、2mm真鍮線で台座と接続するようにしています。簡単に倒れることはありませんし、斜めにした状態で筆を入れていくことも可能になります。ちなみに写っている台座は作業用のものです。ホオノキだったかな。

これで油彩を塗っていくための「キャンバス」が完成しました。油彩による塗装は次回以降ご紹介します。

最後までご覧頂きありがとうございました!

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