Paleocraft製のグリプトドンが届きました。
グリプトドン
グリプトドンは、新生代の更新世に南米に生息していた大きなアルマジロの仲間です。大きさは種によって様々なのですが、このグリプトドンは全長3mほどもありました。亀の甲羅のように骨質の装甲板が背中を覆っていてまん丸です。ドエディクルスという種は長い尾の先端にモーニングスターのようなトゲトゲを持っており「攻撃的防御」が可能だったようですが、グリプトドンの尾は長くなく、もっぱら防御専門だったでしょうね。
1万年ほど前に絶滅したそうなので、人類による狩猟圧もその一因となった可能性があります。硬くて丈夫な装甲板が防具に用されたんだとか。
Glyptodon by Sean Cooper
キットは著名な造形作家Sean Cooper氏のブランド「Paleocraft」のものです。価格は$126.00でした。
実は彼のサイトでは「Glyptodon(グリプトドン)」ではなく「Glyptotherium(グリプトテリウム)」と記載されています。両者は同様の形態をした別の種類なのですが、調べたところ3mにもなるグリプトドンに比べグリプトテリウムは半分の1.5m程度だったようです。キットの大きさと「1:16」と明記されたスケールからしてグリプトドンであろうと判断し、当サイトでは「グリプトドン」と表記します。
海外アーティストは適当な人が多いですが、彼はとてもちゃんとしています笑。今回複数オーダーした全てのキットがキャティング(注型)からだったのですが、経過をきちんと伝えてくれるんですよ。オーダーから受け取りまで数ヶ月かかりましたがとても安心できる買い物でした。
キット紹介
ひとつひとつ丁寧に梱包されていたキット全景です。本体6パーツ+ベースという構成です。彼の作品はパイン材のベースも付いてきます。パインは少々柔らかすぎるので私は使いませんが、わざわざ木製ベースを購入しなくても良い気遣いは嬉しいですよね。
パーツレビュー:ベース
土なのか岩なのか泥なのか、コンパクトに纏められたベース。サイドが厚過ぎないのが良いですね。足型がモールドされています。
パーツレビュー:脚部
短いですが力強い指を持った四肢です。パーティングライン(型と型の分割線)はあまり目立ちませんが、「虫」がありますね。画像右上の脚(左後肢)の黒い部分が「虫」です。本来は虫穴と言いますかね。型にレジンを流した際に気泡などが噛んでレジンが入りきらなかった箇所が虫になります。パテなどで埋めてやる必要があります。
パーツレビュー:尾
尾にも小さな虫がありますので、溶きパテで埋めてやらないとだめですね。しかしこうして置いてみると松ぼっくりですね。
パーツレビュー:頭胴部
頭部と胴部は一体成形されています。こっちは果実か手榴弾のようですね。大きなグレープフルーツくらいの大きさがある上にレジン無垢ですからかなりズッシリです。鈍器のようです。
裏側はこんな感じ。柔らかい腹部とモサモサした毛が彫刻されています。各パーツの接続は良好そうです。そういえばアルマジロの腹って何色なんですかね。調べないと。
やや作業が面倒なのが装甲板の頂部です。注型時にレジンが流れるゲート(湯口)と、その周囲に虫がたくさん。パテ埋めしつつ、パテで埋まった装甲板のモールド(彫刻)を彫り直す必要がありそうです。ゲート部分はそもそもモールドが無いので一から彫ります。
耳まで一発成形なのはすごいですね。体毛の流れる様もとても綺麗です。
顔は案外かわいくないですね。どこかでこういうおじさんに会ったことがある気がします。制作の際はなるべくかわいく仕上げていきたいと思います。
Sean Cooper氏の「グリプトドン」キットレビューでした。
最後までご覧頂きありがとうございました!
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