フロリダ在住の造形作家Bill Wieger氏原型制作のホホジロザメです。
Bill Wieger氏は数多くの映画やコマーシャル等でも活躍している造形作家で、エイリアンなどのクリーチャー系に造詣が深いようですが、数は少ないながら野生動物も制作しています。
ホホジロザメは世界最大の肉食魚類で、S.スピルバーグの出世作「ジョーズ」シリーズでも有名な海のハンターです。体長6mを超え、極地を除く世界中の海に生息しています。私は幼少の頃からなぜかサメが大好きで、本気で学者を目指すほど没頭していました。大学は美術方面に進んだので研究者にはなれませんでしたが、今でも文献を読みあさっています。
フィギュア/造形の世界では生き物系はマイノリティであると思うのですが、その中でもサメのキット、しかも生物学的な正確性を持ったものとなると実に数が少ないのです。ですので、まずは自分のために自分で造形しようと考えています。
このホホジロザメは全高300mm程度のレジンキットです。とてもドラマチックな構図ですが、南アフリカのケープタウン沖で実際に見られる光景です。動きが早く小回りの効くミナミアフリカオットセイを捕食するために、ホホジロザメは水深の深いところから海面に向かって加速し一撃で捕らえます。狩りが成功しても失敗しても、勢い余ってサメが海面上に飛び出すわけですね。ぜひ生で見たいものです。
2枚だけですがたまたま撮って残っていた制作段階の画像がありました。胸ビレと下顎が別パーツになっているのが分かると思います。画像では分かりませんが上顎も別パーツです。
制作当時油彩もエアブラシも使えない環境下だったため、このキットはほとんど全てアクリル絵具で彩色しています。我ながらよく頑張ったなと思うんですよね笑。筆跡を残さないように薄く塗り重ねています。
実物のサメにはかなりメタリックな光沢があります。缶スプレーのサーフェイサーを吹いたあと、同じく缶スプレーのシルバーを吹き付け、ほんの少しメタリックな質感を残しながら上塗りしています。缶スプレーはベランダでやってたなぁ。
水中から飛び出して瞬間の両者ですから光沢フィニッシュにしています。ミナミアフリカオットセイは黒を全体に塗ったあと、ベージュをドライブラシしました。
顎まわりの色合いはとてもうまくいきました。ホホジロザメらしさが表現できたかなと思います。アクリル絵具はあっという間に乾きますので、リターダーを混ぜて乾燥を遅らせたうえでグラデーションをかけています。
10年経った今再度購入して塗ってみたいんですが、いかんせんBill Wiegerさんはメール見ないんですよね笑。海外作家さんはその辺り適当な人がとても多いです。運に任せようと思います。
最後までご覧頂きありがとうございました!
キット&制作データ
◆Model:ホホジロザメ & ミナミアフリカオットセイ / Great White Shark & Brown Fur Seal ( Carcharodon carcharias / Arctocephalus pusillus )
◆Manufacturer:non
◆Sculptor:Bill Wieger
◆Scale:non
◆Marerial:Resin
◆Finish:ラッカー、アクリル
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