海洋堂/DINOLAND(ダイノランド)シリーズのティラノサウルス骨格モデルです。
原型はトリケラトプスと同様山崎繁氏で、やはり1990年頃リリースされたキットかと思います。全長70cmほどの大型キットです。数年前に海外のコレクターさんより入手し組立・塗装しました。
およそ30年前の古いキットですが、躍動感に満ちたとても美しいキットだと思います。最新の研究結果からすればやや上体が起き過ぎていますかね。これはこれでカッコいいですけど。
レジンはかなりギトギトしていたので、数週間にわたり脱脂しています。脊椎は頚椎から腰部の仙椎までが1パーツ、尾部が1パーツです。これを軸に各パーツを取り付けていくという工程になります。
バリもかなりあり、肋骨一つ一つに真鍮線の軸打ちもしているため、組立には思いのほか時間を要しました。
トリケラトプスと同様に、マルチプライマー塗布後の塗装は全てウィンザー&ニュートンの油彩です。Winsor Yellowという黄色があるのですが、秋の色づいた木々のようなとても綺麗な色なんですよね。たまんないなぁと思いながらグレーズしていたら、トリケラトプスよりだいぶ黄色味の強いフィニッシュになりました。
歯は茶系をのせています。色を置く筆と伸ばしていく筆を使い分けて、マーブル調に筆跡を残しました。
前肢と後肢のツメはローアンバーにほんの少しブラックとインディゴを混ぜています。写真潰れてますね・・・
手の平が下を向くような造形になっていますが、その後の研究により手の平が(拍手のように)向かい合わせになるのが正しい復元だと分かったそうです。またキット化当時未発見だった第3指痕や、現生鳥類と獣脚類との生物学的繋がりを示した叉骨は再現されていません。貴重なキットですがもう1つストックがあります。次回制作の際は自作してみようかと。
支柱は恥骨を貫通して胴椎に至ります。胴椎には内径3mmの真鍮パイプを埋め込んでいます。支柱の抜き差しによるレジンの傷みを軽減できます。
ベースはキット付属のものを使用しています。ベース側も真鍮パイプを埋め込んでいます。支柱のブレやたわみを抑える効果もありそうです。
1パーツの尾部ですから、尾椎下にぶら下がる血道弓は1つ1つただの塊になっています。本当は「A」を逆さにしたように空洞があるんですよね。少し残念なポイントです。
同スケールの人間からの見上げアングルだとこんな感じですかね。巨大な歯列と明らかに強靭そうな顎が印象的です。
キット&制作データ
◆Model:ティラノサウルス / Tyrannosaurus rex
◆Manufacturer:海洋堂
◆Sculptor:山崎繁
◆Scale:1:20
◆Marerial:Resin
◆Finish:ラッカー、油彩
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