トルヴォサウルスをつくる vol.2

制作記
制作記恐竜の制作記

Shane Foulkes氏のトルヴォサウルスを制作しています。

このトルヴォサウルス、キット価格は$189.99で、彼の作品の中でもトップクラスのヒット商品だそうです。彼のキットは表現や精度の高いクオリティに反して価格は安いです。私は何度も購入しています。ただし対応はかなりアバウトでアメリカ感満載です(笑)。

注文したら「キャスティング(注型)に1ヶ月かかる」と言われて3ヶ月待っても音沙汰なし。そろそろいいだろうと思って連絡したら「ちょうど今送るところだったよ!」と明るい返事。やっと届いたキットはパーツ不足があって連絡したところ「間違いなく入れたからもう一度確認してくれ。だいたい梱包材と一緒に捨てているんだ!」と自信満々だったのですが、「8インチもある部品を間違って捨てるわけがないだろう」と返したところ「いったいなぜ消えたんだろう。でも偶然ここにその部品があるから送ってあげるよ!」と。

Amazonやヨドバシonlineのクオリティを求めると辛いですが、人間味溢れる(笑)直接購入も楽しいですよ。

油彩塗装 その1

前置きが長くなりましたが、そんなS.Foulkesさんのトルヴォサウルスはベース塗装を終え油絵具で着彩していきます。ラッカー塗装の時点でエアブラシにより明暗をしっかり吹きわけていますので、薄く色付けていくだけで大変豊かな色調を得ることができました。

緑はウィンザーエメラルドとテールペルト、茶はイエローオーカーとトランスペアレントゴールドオーカーを使用しています。トランスペアレントゴールドオーカーは名前が長いですが、文字通りの透明色で非常に使い勝手の良いお気に入りの色です。

眼窩や鼻骨周り、棘突起などを茶系でおさえアクセントとしています。揮発性のテレピンのみで溶いているのですぐ乾きますが、念のためここで1日置きました。

油彩塗装 その2

1日置いたら、油彩の2層目を重ねていきます。テレピンは乾燥が速い代わりに定着力がとても弱いため、ここからは溶き油に少しずつ乾性油を足していきます。あらかじめ複数のオイルがブレンドされていて便利なホルベインの「スペシャル・ペインティングオイル」にWinsor & Newtonの「リクイン・ファインディテール」をおよそ2:1でブレンドした上で、その2倍程度のテレピンで希釈しています。分量は毎度適当ですけどね。

比較的均一に塗り広げた1層目に対して、今度は「描く」作業を追加していきます。難しく楽しくもある工程です。

体表の皺、その奥にある筋肉の形状を意識しながら影色を入れます。ここでは便利なトランスペアレントゴールドオーカーを使っています。面相で線描し、それを豚毛のフィルバート筆でぼかしていきます。

仲間同士のコミュニケーションに利用されたかもしれない頭部のツノ(突起)はアクセントに明るめのウィンザーオレンジを、眼の周囲はセルリアンブルーとコバルトブルーを入れました。ブルーグレーのグラスアイにしているので、青系のまぶたにしたかったんです。

グラスアイは数ミリの奥行きがありますので、瞳がこちらを追う「追視性」があります。大きな瞳も相まってかわいいですよね。

ちなみにWinsor & Newtonのコバルトブルーは人差し指サイズのチューブで3,000円位します。コバルトだから仕方ないですが、高い。

いったん保護&トーン調整

色入れを続けた結果、引き締まった印象に仕上がってきました。

描き込んでいない部分はテレピンで溶いた1層目が露出しています。触ると指に色が移るくらい固着しないので、これらの保護とトーン調整のため全体に一層薄塗りをしました。

しつこいですがトランスペアレントゴールドオーカーです。薄塗りなので画像では違いが分かりにくいと思いますが、全体に少し黄色味がついて落ち着きました。

ここでまた1週間程度寝かせましょう。この後は模様の描き込みとベースの塗装に移ります。

最後までご覧頂きありがとうございました!

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