ハンドウイルカの完成画像です。
主にクジラ類の海洋生物を制作する造形作家・真鯱さんのハンドウイルカです。塗装済完成品として販売されているのですが、未塗装品の販売を依頼したところ快く応じて下さいました。
ハンドウイルカは世界中の海に生息する海棲哺乳類です。水族館で見られることも多い人気者ですね。4mにもなるそうですが、そんな大きな個体を見たことがありません。だいたい2-2.5mといったところでしょうか。キットは160mmほどですので、1:16から1:20くらいのスケールだと思います。
未塗装のハンドウイルカはワンパーツのレジン無垢でした。注型時に生じる気泡による巣(細かい孔)がかなりあったので、全体に溶きパテを塗りなが磨く作業を繰り返しました。もちろんその前に入念な脱脂を行っています。
グレーの体色で、獲物に見つかりにくいよう背側が暗く腹側が明るい「カウンターシェーディング」のハンドウイルカですが、グレーって本当に難しい色なんですよね。模型用塗料のグレーは膨大なラインナップがあります。生き物の持つ厚みや温度が感じられ、なおかつイルカを海中で見ているかのようにしたかったので、少し温かみのあるグレーを複数選んだ上で、全ての塗料にほんの少しブルーを混ぜています。
体色には個体差もあるようですし、おそらく生息域による差も生じていると思います。ネットで様々な画像を見ながら、自分のイメージに近い色とバランスにしました。素の造形が大変素晴らしいので、きっとどう塗っても美しいイルカになると思いますが。
波間を透過した太陽の光が、水面下の物体に投影されます。この様子はとても美しいものの、私には再現が非常に難しい模様でもあります。筆の薄塗りを繰り返していくのが一番良さそうな気がしているのですが、今回使用したのはエアブラシです。マスキングパテでガイドラインを作っては吹き、吹いてはガイドラインを作りの繰り返しで模様を再現しています。
ガイアノーツのクリアーホワイトやホワイトをメインに、ほんの少し(本当にちょっとです)クリアーブルーを混ぜています。混ぜ具合を変えながら塗装することで単調にならないようにしています。
しかしアップにすると色々気づきますね笑。
乾燥後、ウレタンクリアをしっかり厚塗りしてツヤツヤ仕上げとしました。純粋に塗装を楽しめる素晴らしいイルカでした。
キット&制作データ
◆Model:ハンドウイルカ / Bottlenose Dolphin (Tursiops truncatus)
◆Manufacturer:真鯱
◆Sculptor:真鯱
◆Scale:non
◆Marerial:Resin
◆Finish:ラッカー / ウレタン
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